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無題
788002726.jpg妹が下痢・嘔吐・高熱で病院に行き、判明したのがロタウィルス。
別室に呼ばれ主治医に言われたのが
「もしかしたらファンコニー貧血(自分の骨髄で血が作れなくなる病気)と言う奇病かもしれない」と言う事。
それと同時に言われたのが「治療法はない、維持療法しかない。」

ロタウィルスで1週間入院後即退院、数日経ち鼻血が止まらなくなった状態での定期通院日
診察を待っている間に意識を失い卒倒、かけつけた看護士が処置室に連れていき行った処置が「普通の点滴(ブドウ糖)」
ブドウ糖を点滴しなければ輸血すらままならないが、その時点で妹はまだかろうじて骨髄で造血が出来たので
一命をとりとめた。

<医療のルールを覆し世界を動かした妹の病気と診断書>
再生不良性貧血、白血病、ファンコニー貧血。これらは似てるけど違う病気
<すべてパーフェクトの状態で移植しても20%を下回る成功率でしかない>


症例が少なすぎてデータ不足だったファンコニー貧血は、当時難病指定されておらず
軽度の血液疾患(再生不良性貧血)としか扱われていなかった。
「実はファンコニー貧血である子が再生不良性貧血と同じ扱いを受けていたから亡くなった子も少なくなかったのではないか。」
なので再生不良性貧血には重度と言うものは無くその実態はファンコニー貧血だったのではないか、と。

再生不良性貧血は治療せずに放置すれば発ガンしてしまうが、骨髄が造血できなくなってすぐ死に至るということはない。
ただこれにも治療は必要なので移植が適応されるが、ファンコニー貧血ほど難しくはなく 
臍帯血などのパターンで移植が可能。白血病などに比べても成功率が高い。
白血球を刺激する注射を打ちながら血小板や赤血球の輸血をし続けることにより、治る場合もあるので 
発ガンしたときに初めて難病として扱われる。

血液上のデータは全く同じもの示す再生不良性貧血とファンコニー貧血。この二つの病気の大きな違いは
ファンコニー貧血には先天的身体的疾患(多指症・低身長などの奇形)があるのが特徴で、
医学がそれに気付いたのが妹に病名が付くほんの数年間の間。判断のヒントはこの身体的特徴のみである。

妹が生まれてから病名が付くまでの3年間のうちに「ファンコニー貧血」というものが確立されたのは間違いない。
なぜなら妹が超未熟児で生まれたことにより、退院後 後遺症が残っていないかを調べるために病院を盥回しにされたが
その間に 妹の身体的特徴を見て不審に思い深く検査しようとしたドクターが居なかった。

しかし、K教授だけは その「すでに海外での移植例は数件あったがすべて失敗に終わっていた」病気に対する研究を始めていた。
妹の病気を正しく診断したA医師の話では「思春期(10歳頃)までには亡くなるだろう」という答えしか出せなかったほどにまだ浸透していなかった時代。
そのため妹も手の施しようがないまま終わってしまうと思われていたが、研究をしていたK教授が移植にGOサインを出した。

K教授の話によれば、ドナーとの型が完全一致でなければならないという条件。
状態が悪化した妹の場合はドナーを待っていることができなかったため一座ミスマッチで妥協、移植。成功率は5.7、8%ほど。
移植を待つ間は応急処置(輸血)をしておかないと命が持たないがその処置をすればするほど、骨髄の拒否反応を強めるために移植の成功率を下げるという副作用を伴っていた。
移植は成功。妹の身体は拒否反応すら起きなかったが、処置の期間が長かったからか予後不良で合併症を起こしやすく、極稀に「移植した骨髄が消えてなくなる」ということも考えられた。
幸い妹にはどれも起こることはなかった。
もしも再発するとするならば、ファンコニー貧血ではなく白血病(赤血球、白血球、血小板を作り出す過程でガン細胞が発生して血液内にガン細胞が入り込む)としてかたちを変えて現れる。

ファンコニー貧血とは、どちらか片方の親が奇形染色体を持っていても発症しないのだが 両親ともがその奇形染色体を持ち、
且つその染色体を両親ともから子供に遺伝する(もらう)ことで初めて発症する病気。その確率数億分の1。

妹は、病気の扱いと手当の制度を変えて  新たな症例データを刻みつけ  そして今後同じ病気になったひとたちにも優しい医学界に仕立て上げた。


余談だが、ファンコニー貧血で現れる身体的特徴の3つめの「肌の浅黒さ」は何故か俺に出ている。(妹とは父親が違う為関係ない人。)
 
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